home
懇談会について
会長挨拶
入会案内
懇談会・総会案内
国際学会
速報
賛助会員
JILSの出版
これまでのお知らせ
ユーザーID
会員専用ページ
更新履歴
 
 

懇談会・総会
   
  過去の懇談会
   
 
強光子場科学研究懇談会 総会・講演会のお知らせ
■日時 2007年10月20日(土) 午後1時半より
   
■会場 東京大学化学本館(5階講堂)
   
■プログラム
13:15〜13:30 受付
13:30〜14:30 総会
15:00〜16:00 講演 中西 彊 先生(名古屋大学)
「偏極電子ビームの生成と応用」

 私たち名古屋大学グループは、スピン偏極電子ビームの最高エネルギー加速器 (電子・陽電子リニアコライダー)での実用化を目指して、偏極電子源の高性能 化に取り組んできました。私たちの偏極電子源は、GaAs系超格子構造薄膜から偏 極電子を生成するものであり、具体的には、(1)円偏光励起による結晶内での 偏極伝導電子の生成(偏極機構)と(2)Negative Electron Affinity(NEA)表 面を用いた真空中への放出(ビーム取り出し機構)を用いています。

 この偏極電子源に求められるビーム性能には、(1)高偏極度、(2)高量子効率、(3)マル チ短バンチビーム(高ピーク密度電流)、(4)高ビーム輝度(高密度電流)、(5)大平 均電流、(6)安定ビーム供給(NEA表面の長寿命化)などいくつもありますが、当然 のことながら、偏極電子ビームを使う目的によって重要な性能が変わります。例 えば、リニアコライダーにおいては高偏極度を有する高電荷マルチバンチビーム 生成が最重要となり、電子顕微鏡においては高偏極度を有する高輝度ビーム生成 が最重要となります。

 これらの高性能化に挑戦してみてわかったことはスマートな解決方法を見つけら れる性能とそうでない性能があり、改良に要するエネルギーや到達度に大きな差 があることです。前者は、偏極度がその代表例ですが、フォトカソード結晶に工 夫を凝らして改良できた性能です。一方後者は、大平均電流がその代表例です が、NEA表面がかかわりその劣化を速めることに繋がるビーム性能の改善は容易 ではないことが身に沁みてわかりました。これら開発研究の現状については時間 の許す限りで当日ご紹介したいと思います。

 偏極電子ビームの物性物理実験への応用としては、偏極電子ビーム化したLEEM表 面電子顕微鏡(すなわちSPLEEM)の高性能化に現在取り組んでいます。これは大 阪電通大、日立中研等と研究機関との共同研究として実施していますが、「透過 光吸収型偏極電子源フォトカソード」を導入した「ご利益」により、従来の輝度 を3桁向上させることにすでに成功しています。この輝度は電子顕微鏡によく用 いられているLaB_6 エミッターの輝度に優るとも劣らぬ値に対応しており、従来 の無偏極電子源をこの偏極電子源に取り替えても、スピン測定が加わる利点が あっても輝度の点では損をするという従来のSPLEEM装置の欠点を解消できるよう になったと言えます。ただし、私たちの最終目標である「ナノ表面磁区構造の実 時間観察の実現」については、現在、設計・製作中の実用機を大阪電通大のLEEM 装置に結合して、それが可能であることを証明する仕事が残っています。

 最後に、「偏極電子ビームを物性実験の手段として使ってみる可能性」につい て、講演会に参加された方から忌憚のないご意見をいただければ幸いです。
16:10〜17:00 講演 山内 薫 会長(東京大学)
17:10〜17:30 ISUILS 6 報告 石岡邦江 先生(物材機構)
17:30〜19:00 意見交換会(懇親会)
   
■お問合せ先 なお、総会および講演会についてのお問い合わせは担当者(谷上)までお願いいたします。
E-mail: tanigami@chem.s.u-tokyo.ac.jp
TEL: 03-5841-4334